既存本業部門がコロナ対応や新規事業の創出に取り組む場合、社外のパートナーと連携するオープンイノベーションの発想や、新規事業開発に関するさまざまなナレッジ、ノウハウが必要となります。新規事業部門はこれらの進め方については、既存本業部門より経験がありますし、必要なネットワークを有しています。
これらの蓄積を活かし、新規事業部門と既存本業部門が従来以上に深い関係を築きながら、企業のイノベーションを進めていく可能性は高いと思います。
一方、新規事業部門には元来、既存本業部門が見ることができない未来を洞察する役割があったのだとすれば、このような状況になったとしても、その機能は保持すべきとも考えられます。この場合、いわゆる「アフター/ポストコロナ」と言われる状況変化の、さらに一歩二歩先を見据えた活動が求められるでしょう。ただし、まだ「アフター/ポストコロナ」でどのような世界が実現するかわからない中、そのさらに先を読むのは困難です。
もしも、この2つのどちらかの役割を果たせない場合には新規事業部門の存在意義は疑問視され、経費削減の観点より、活動が縮小されることは避けられないでしょう。このように、新規事業を戦略的にマネジメントし、経営資源(人・もの・予算・技術)を最大活用する形で提供価値を最大化する取り組みが必要となってくるのです。